病院と在宅では扱う病気や教育に違いが多いため、病院に就職した看護師の話を聞くと訪問看護師は焦りを感じてしまうことがあります。しかし、生活や療養環境を整える看護実戦の話になれば新卒の訪問看護師でも楽しく熱く語ることが可能です。在宅では利用者の生活に寄り添って看護をするため、その方の生活やそれまでの人生も考慮に入れて看護していくことになります。さらに、その方の価値観を通して社会とのつながりを考えることで、その人にとってベターな選択肢をもつことも可能です。生活環境のアセスメントについては、新卒でも介入しやすく、看護実戦を通して効果が得られたり、生活の質が向上したりするため、在宅看護の醍醐味を感じることができます。このように、新卒でも利用者と深く関わり、同時に知識や看護技術をひとつひとつ身につけて看護実戦をするため、自分がおこなっている看護の意味や効果を実感することができるようになり、やりがいにつながっています。実際に2年目になる新卒で訪問看護に携わったものからは、利用者の生活に長く深く介入する訪問介護の魅力がやりがいにつながっているという声もあがっており、在宅での看護実戦が利用者の価値観に合わせながら行えることが大きいのです。その分、悩みどころもたくさんありますが、利用者とは人として対等に、そして深く関わることができるので、自分の成長も実感しやすくなっています。今後も増え続ける在宅療養の人々を支える訪問看護に新卒から挑戦できるような取り組みも活発化してきており、ひとつの選択肢となっています。